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【コラム豆知識】物流業界でよく使われる単位 その3

今回、物流業界でよく使われる単位第3弾をお届けします。

その1では数量に関する単位を、その2では長さに関する単位をご紹介しましたが、今回は「容積・体積」について解説します。

物流における容積は、貨物が占める空間の大きさを示します。これは、輸送手段の積載効率や倉庫の保管効率を評価するための最も重要な指標です。

1. CBM(Cubic Meter: 立方メートル)

  • 定義: 国際的に最も標準的に使われる体積の単位で、1辺が1mの立方体の大きさ(1m×1m×1m)です。
  • 用途:
    • 国際輸送(特に海上輸送)における運賃の算出の基準となります(容積重量の計算)。
    • 倉庫における保管スペースの計算

2. FT3(Cubic Feet: 立方フィート)

  • 定義: ヤード・ポンド法に基づく単位で、1辺が1ft(フィート)の立方体の大きさです。
  • 換算: 1ft3≒0.0283㎥
  • 用途: 主に米国など、ヤード・ポンド法を用いる国との国際貿易で使われます。

3. W/M(容積重量換算の指標)

これらは特定の単位ではなく、運賃計算の原則を示す用語です。
W/M(Weight or Measurement)原則:

  • 輸送業者は、貨物の実重量 (W、Weight) と容積重量 (M、Measurement:㎥を重量に換算したもの) を 比較し、より大きい方を適用重量(運賃の基礎となる重量)として採用します。
  • 海上輸送のLCL(小口混載貨物)では、通常1CBM(㎥)を1t(1,000 kg)として換算します。
  • 容積重量の重要性: 軽くてかさばる(CBM(㎥)が大きい)商品は、実際の重さよりも容積重量が適用され、運賃が高くなります

物流におけるコスト削減は、「荷物のCBM(㎥)を小さくする」か、「CBM(㎥)あたりの単価を下げる」かのいずれかが重要なポイントになります。