コラム豆知識
この連載では、時代とともに姿を変えてきた日本の倉庫の歴史を、数回に分けて紹介していきます。
今回はその第3回として、明治時代から戦前までの倉庫の役割について見ていきます。
明治維新とともに訪れる近代倉庫の幕開け
明治維新を迎え、日本の風景は一変します。文明開化とともに鉄道が走り、港が開かれ、国内外の物流は一気に拡大しました。この激動の時代に日本の倉庫もまた大きな転機を迎えます。
横浜や神戸などの港湾都市には、輸出入貨物を大量に取り扱うための大規模な倉庫が次々と建設されました。それまでの「土蔵」とは異なり、西洋建築を取り入れたレンガ造や石造、のちには鉄骨造へと構造も近代化します。高い防火性と耐久性を備え、船舶や鉄道と直結した「都市型倉庫」が誕生しました。
横浜赤レンガ倉庫などはまさにこの時代を象徴する存在といえるでしょう。

進化したのは建物だけではありません。
荷主から貨物を預かり、対価として保管料を得る「営業倉庫」というビジネスが制度として確立されました。さらに、預けた貨物を担保に資金調達が可能となる「倉庫証券」の仕組みも整備され、倉庫は金融機能を持つ物流インフラとして、近代日本の経済成長を支える存在へと発展します。
こうして明治から戦前にかけて、日本の倉庫は「個人の蔵」から「社会のインフラ」へと変化しました。それは、現代の物流企業へと続く大きな第一歩だったと言えます。
次回は、「戦後~高度成長期 大量保管と分配の時代」を予定しています。お楽しみに!
日本の倉庫史を振り返る第1回~古代中世編~はこちら
日本の倉庫史を振り返る第2回~江戸時代編~はこちら