コラム豆知識
身近なものでも、保管する量によっては一般的な倉庫では扱えない場合があることをご存じでしょうか?
火薬や固形燃料などはいかにも「危険物!」というイメージがありますが、実は漂白剤や殺虫剤なども、一定量を超えると危険物として扱われ、法律で定められた基準を満たした倉庫以外での保管は禁止されています。
危険物倉庫は、消防法で定められた、火災や爆発の危険性がある物質を安全に保管するための専用倉庫です。その最大の目的は、火災や事故を防ぎ、人命と財産を守ること。そのため、一般的な倉庫とは異なり、非常に厳しいルールに基づいて建設・管理されています。
危険物倉庫の特徴
- 構造: 万が一の事故に備え、特別な構造になっています。火災が周囲に広がらないようにする防火壁や、電気の火花による引火を防ぐ防爆設備が備えられています。また、保管する危険物の種類に応じて、温度を一定に保つための空調設備や換気設備も設置されています。
- 管理: 倉庫内では、危険物の種類や量を厳密に管理することが義務付けられています。取り扱いには専門の資格を持つ担当者がつき、定期的な点検も欠かせません。
- 保管方法: 危険物は、種類ごとに決められた方法で保管されます。異なる種類の危険物を混ぜて保管したり、規定量を超えて保管したりすることはできません。
逆に言えば、指定数量未満であれば、危険物扱いにはならず、一般倉庫での保管も可能です。ただし、指定数量未満であっても、各市町村の条例によって保管に関する規定が設けられている場合があります。そのため、「指定数量以下なら一律で保管できる」というわけではない点には注意が必要です。
危険物倉庫は、私たちの暮らしを支える物流の重要な役割を担っており、高い安全性が陰ながら確保されています。
<おまけの話>
扱う量によっては危険物になるスプレー缶ですが、ご家庭で捨てる際に迷いませんか?私の住む自治体では、
①すべて使い切って、②穴をあけずに、③資源用の指定袋に入れて、④可燃ごみの日に出す(可燃ごみとは別にして) となっています。
難しい!
ですが、これを守らないと収集車や処理工場での火災につながる恐れが…
安全性を高めるため、こういったルールも日々更新されているので、面倒ですが捨てる際は毎回調べるようにしています。安全を守るための重要なルールであることを改めて感じた今回のコラムでした。