コラム豆知識

【コラム豆知識】物流倉庫の種類:BOX型倉庫とは?

物流施設である倉庫には、平屋建てから大型のマルチテナント型まで様々な構造のものがあります。その中でも、BOX型倉庫は、エレベーターや垂直搬送機を使って荷物を階層間で移動させる、シンプルで効率的な構造が特徴です。物流施設の中でも基本的なタイプの一つで、特に保管機能を重視する場合に適しています。

BOX型倉庫の特徴とメリット

BOX型倉庫は、その名の通り、ランプウェイ(スロープ)を持たず、トラックが直接乗り入れられるのは1階部分のみです。多層階の建物では、2階以上への荷物の搬送にはエレベーターや垂直搬送機を使用します。この構造には、以下のような特徴とメリットがあります。

  • 土地の有効活用: 多層階の建物でも中心部にエレベーターや垂直搬送機を配置するため、土地を効率的に使い、保管スペースを最大化できます。
  • 立地: 土地の容積率を最大限に活かせるため、都心部や狭い土地での開発に向いています。
  • コスト: ランプウェイ型に比べて建設コストが安価なこと、作業効率が劣る場合があることなどにより、賃料も控えめな傾向にあります。これは、物流コストを抑えたい企業にとって大きなメリットです。

主な用途

BOX型倉庫は、保管機能が中心となる物流業務に適しています。特に、以下のような用途で広く利用されます。

  • 長期保管: 入出荷頻度が比較的低い製品の保管。
  • 大量保管: 広い床面積を活かして、在庫を大量に保管したい場合。
  • 流通加工: ピッキング、梱包、ラベル貼りなどの流通加工がメインとなる場合。
  • eコマース向け倉庫: 顧客からの注文に応じて商品を出荷するフルフィルメント業務。

ランプウェイ型倉庫との違い

BOX型倉庫とランプウェイ型倉庫の最大の違いは、トラックの各階へのアクセス方法にあります。

  • BOX型倉庫: 1階のトラックバースのみにトラックが乗り入れ、2階以上への荷物移動はエレベーターや垂直搬送機を使います。保管機能を重視する構造です。
  • ランプウェイ型倉庫: 建物内のランプウェイ(スロープ)を使って、各階にトラックが直接乗り入れ可能です。これにより、各階での直接入出荷が可能となり、作業効率が高まります。入出荷機能を重視した構造といえるでしょう。

ランプウェイ型倉庫は、頻繁な入出荷が必要な場合や、複数のテナントが各フロアを個別に使用する場合に特に有効です。一方、BOX型倉庫は、保管が主目的で、コストを抑えたい場合に最適な選択肢となります。

貴社の物流にどの倉庫タイプがマッチするか、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。