コラム豆知識
「用途地域」とは、街づくりの基本ルールのひとつで、計画的な市街地を形成するために、用途に応じて13のエリアに分けられています。
たとえば、住宅が建てられる場所、企業やお店が集まる場所、その他の活動が許される場所などの区分があり、それぞれの地域で建物の大きさや形、使い方に一定の基準が設けられています。
もし住居の隣に大型商業施設や工場が建てられれば、日当たりの悪化や騒音、公害といった問題が生じ、快適な生活環境が損なわれます。逆に、工場にとっても、交通の渋滞や規制、作業時間の制限などで効率が落ちる恐れがあります。こうした事態が続けば、住みよい街づくりからは程遠い状況になってしまいます。
そこで、国は都市の健全な発展を目指して「都市計画法」を定め、この法律に基づき都道府県知事が「都市計画」を策定します。この都市計画区域内のうち、市街化区域(すでに市街地が形成されているか、今後計画的に市街地の整備が進められるエリア)において、用途や目的に応じて設定されているのが「用途地域」です。
このルールは、街全体が混乱せず、計画的に発展するための大切な仕組みです。土地や建物を利用する際に、あらかじめこの決まりを理解しておけば、後から予期せぬ問題が起きにくくなります。誰もが安全に、そして快適に暮らせる環境を守るための知識として、用途地域の基本を覚えておくと良いでしょう。
