コラム豆知識
時代とともに姿を変えてきた日本の倉庫の歴史を紐解く連載の第4回です。
今回は、戦後の復興を経て現在物流の基礎が築かれた高度成長期編です。これまでの連載はこちら
「保管」から「分配」の拠点へ
戦後の日本は、復興を経て高度経済成長期へと突入します。
家電、自動車、食品、日用品などあらゆるモノが大量生産・大量消費される時代の到来とともに、倉庫の役割は劇的なパラダイムシフトを迎えました。
それまでの倉庫は、港湾を中心に輸出入貨物を「じっと留めておく」役割が中心でした。しかし国内市場が爆発的に拡大すると、大量の商品を預かるだけでなく、全国へ効率よく振り分ける「分配拠点」としての機能が強く求められるようになったのです。
時代による倉庫の役割変化
| 項目 | 戦前まで(港湾・輸出入) | 高度経済成長期(都市近郊・国内流通) |
| 主な立地 | 港湾地区 | 都市近郊・高速道路インター付近 |
| 主な役割 | 貨物の長期的保管(ストック) | 迅速な仕分け・配送(フロー) |
| 荷役手段 | 人力(肩担ぎ)・クレーン | フォークリフト・パレット |
| 施設形態 | 単独の倉庫・レンガ造り | 大規模な「倉庫団地」 |
現代の「物流センター(DC)」の原型へ
この頃には倉庫はもはや単なる「蔵」ではなく、入荷・検品・仕分け・出荷をノンストップで行う「流通センター(DC:ディストリビューション・センター)」へと進化を遂げました。
高度成長期に確立された「保管と配送をシームレスにつなぐシステム」こそが、私たちが今享受している高度なサプライチェーンの原点であり、現代の物流企業へとつながる重要な転換点だったのです。
次回は1990年代〜2000年代「バブル崩壊とITの時代」を予定しています。お楽しみに!