コラム豆知識

【コラム豆知識】日本の倉庫史を振り返る② 江戸時代編

この連載では、時代とともに姿を変えてきた日本の倉庫の歴史を、数回に分けて紹介していきます。
今回はその第2回として、江戸時代の倉庫の役割を見ていきます。

商人と土蔵 ― 物流と経済を支えた「最強の金庫」

江戸時代に入ると、世の中が安定し日本の倉庫は大きな転換期を迎えます。

全国的に商業が発展し、米や酒、醤油、織物などの流通量が飛躍的に増大しました。

それに伴い商人が大切な商品を保管するための倉庫が各地に建てられるようになりました。

その代表が、「土蔵(どぞう)」です。

富と信頼の証でもあった土蔵

木造家屋が密集していた当時の江戸は、世界有数の「火災都市」でもありました。そこで商人が求めたのは、厚い土壁に漆喰を塗り重ねた堅牢な『防御型倉庫』でした。土蔵は、火災や盗難から商品や帳簿を守るための、まさに「最強の金庫」だったのです。

また、この時代の倉庫は経済システムの中枢も担っていました。

「天下の台所」と呼ばれた大阪には各藩の年貢米などを保管・販売するための「蔵屋敷(くらやしき)」が建ち並ぶようになります。米が通貨のような役割を果たしていた経済において、倉庫は現代でいう「銀行」や「証券取引所」のような役割を担っていたともいえます。

倉庫はモノを留め置くだけでなく、「経済価値を循環させるハブ」へと進化したと言える時代でした。

次回は、「明治維新とともに訪れる近代倉庫の幕開けについて」を予定しています。お楽しみに!

日本の倉庫史を振り返る第1回はこちら