コラム豆知識
前回、「三期制」についてご紹介しました。
今回はその続きとして、具体的な計算方法についてご紹介したいと思います。
保管単価: 100円/個
期間 | 前期末在庫数 | 今期入庫数 | 今期出庫数 | 今期末在庫数 |
(繰越) | 10個 | |||
第一期 | 10個 | 0個 | 2個 | 8個 |
第二期 | 8個 | 5個 | 0個 | 13個 |
第三期 | 13個 | 20個 | 10個 | 23個 |
第一期の保管料
(前期末在庫数 10個 + 今期入庫数 0個) × 100円 = 1,000円
(第一期の前期末在庫数は、前月からの繰越在庫数に当たります。)
第二期の保管料
(前期末在庫数 8個 + 今期入庫数 5個) × 100円 = 1,300円
(第二期の前期末在庫数は、第一期末の在庫数8個に当たります。)
第三期の保管料
(前期末在庫数 13個 + 今期入庫数 20個) × 100円 = 3,300円
(第三期の前期末在庫数は、第二期末の在庫数13個に当たります。)
1ヶ月の合計保管料
1,000円 (第一期) + 1,300円 (第二期) + 3,300円 (第三期) = 5,600円
このように計算することで算出できます。
三期制のメリット・デメリット
<メリット>
公平な料金体系: 荷物の実際の保管期間に応じて料金が発生するため、利用者にとって公平感があります。
倉庫の収益安定: 倉庫側も、実際の倉庫利用状況に応じた適正な収益を得ることができます。
無駄の削減意識: 利用者側は、長期保管によるコストを意識し、在庫の最適化を促す効果も期待できます。
<デメリット>
計算の複雑さ: 月ごとの一括計算に比べると、各期の在庫を確認し、それぞれ計算する必要があるため、事務処理がやや複雑になります。
システム対応の必要性: 手作業で計算するのは大変なため、通常はWMS(倉庫管理システム)などのシステムで自動的に計算されます。
まとめ
三期制は、物流倉庫の保管料を計算する上で、1ヶ月を3つの期間に区切り、各期の最終日の在庫量に基づいて料金を算出する公平な仕組みです。
これにより、倉庫を利用する企業も、倉庫を運営する企業も、お互いにとって納得感のある取引が可能になります。